お菓子とネコ、たまに着物

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女王陛下のお気に入り

「ヴィクトリアサンドイッチ」というお菓子をご存知ですか?

パウンドケーキの生地で2台のケーキを焼き、間にラズベリージャムをはさんだ、素朴でシンプルなケーキです。

これはイギリスの典型的で大人気なお茶菓子、ということは知っていました。

ヴィクトリア女王がこよなく愛したために、「ヴィクトリア」と名付けられたことも。

 

ずっと前から知ってはいたのに「作ってみよう!」と言う気になれなかったのは、女王様には悪いけれど、あまりおいしそうに思えなかったから。

日本のフワフワでしっとりしたスポンジと違って、バターたっぷりでしっかりしたパウンド生地に無造作にジャムをはさんだだけ。

しかもイギリスのお菓子やティーハウスの本には、「あまり軽い感じにならないように生地は泡だて器よりも木べらで練った方が良いです」と書いてありました。

どっしり固めのケーキで、口当たりはちょっとぱさっとしていそう…お菓子教室でみんなに紹介してもあまり受けないような気がしていました。

 

 

ところが、今回いろいろあって試作することになりました。

典型的な作り方に従うとケーキの型が2台必要になるので、それは家庭では作りづらいから1台で作ってスライスすることにしました。

さらに木べらでの生地作りはけっこう力が要るのでヴィクトリア時代にはなかったハンドミキサーを使用。

後で調べてみたら、「今のイギリスの若い人たちハンドミキサーで作っている」という記述を発見したので、いいんじゃないかな。

 

そうして出来上がったケーキは…思いがけずとっても美味しかったのです。

しっとりとした、バターの良い香りのケーキ生地に、酸味の効いたラズベリージャムの組み合わせは、紅茶を何杯でもおいしくいただけそうです。

基本はラズベリージャムですが、本場イギリスでも今はいろいろにアレンジされているそうで、ママレードやあんずジャム、イチゴジャム、そして中にはカスタードクリームや生クリームというものも売られているとか。

 

約150年前に誕生したヴィクトリアサンドイッチは、少しづつ時代の変化を受け入れながら、これからもずっと愛されていくのだと納得しました。

それにしても色々調べていて、ヴィクトリアサンドイッチを「日本で言えば苺ショートのようなもの」とか「日本のどら焼きのような存在」とかいろいろなお菓子に例えられていましたが、うーん、苺ショートとどら焼きじゃずいぶん違う気が…(^◇^)