お菓子とネコ、たまに着物

お菓子教室と予約販売をしているネコ好きの日常をつづっています

みんな不安だった?登山

しつこいですが、去年から主に「単独登山女子」として活動している私。

今日も朝早くから行ってまいりました。

 

知人に聞いた標高900メートル弱の里山は、変化に富んだコースと景色の美しさで「知る人ぞ知る」名山なんだとか。

「一人で登るなら、土日にした方がいいわよ。めったに人が入っていないけど、土日は必ず何人かいるから」

そのアドバイスに従って早起きして車を飛ばしました!駐車場には辛うじて2台。

…急に熊スプレーを忘れてきたことがものすごく不安になりましたが、最高の最高なお天気に気を取り直し、張り切って出発したのでした。

美しい新緑を浴びるように進んでいくうちに、なんだか新緑酔いを起こしそうなくらい、くらくらしました。そしてそれが楽しいのです。

誰にも会わなくても、全然かまわないな、と思いながら分岐点に差し掛かると、おじさんが倒木に腰掛けて水を飲んでいました。

私に気がつくと、「あーよかったー!他にも人いたー」と叫びました。

「いや、やっぱり誰もいないと不安になりますよねえ」

 

そう言われるとそんな気がしてきて、そこに頂上から下りてきた青年が合流すると、急にほっとしました。不思議です。

何度目かの登山だという青年に道のことなどを尋ね、「道はわかりやすいですから迷うことはないと思いますよ」という言葉に元気が出ました。

 

おじさんとは分岐で別れ、そのあとは誰に会うこともなく頂上へ。

思う存分眺望を楽しみ、のんびりお菓子を食べ、下りは別の道を行くことにしました。

最初は見晴らしのいい尾根伝いに歩いていて楽しかったのですが、沢沿いに下りたところで不審な人を発見。

登山道を外れ、林の中をゆるゆると歩いています。お互いの付けている熊鈴が交互に「ちりーんちりーん」と響き合うのがちょっと怖い…。

さっさと下りよう!私の技術と体力のできる限りを駆使して歩き始め、ふと左側の林の中を見ると、ちょうど私の真横に先ほどの人が!なぜ?林はショートカットなの?まさか私を追いかけてきているとか?

その人が小柄な女性だとわかって少しほっとしたものの、やっぱりできるだけ早く前に進まなくてはと焦りました。

 

ちょっと広場のようなところに出ました。

見渡しても方向を示すピンクのリボンが見つけられません。

どっちだろう、広いけれど道らしいものは、あるようなないような。もしかしたらさっきの女性の存在に焦りすぎてもっと前から間違っていたのかもしれません。

 

あのお兄さんは道はわかりやすいと言っていたのに…私には道が読めないのか…

一度少し戻ってからやり直してみよう、と振り返ると、さっきの林の中の人がこっちに向かって、今度は道を歩いてきました。

もう背に腹は代えられない、思い切って話しかけることにしました。

「あ、あのっ」(ちょっと声が大きかったかな)

「な、なんですかっ」(さらに大きい)

「これ、道はどっちでしょうか?」

「は?あっ、こ、こっち。右っ!」

 

驚いたことに彼女は動揺しているようでした。

何だかわからないけれどお礼を言い、彼女の後ろを歩き始めました。

途中で写真を撮ったり、石に足を取られたりしているうちに、彼女はもう見えなくなっていましたが、そのころにはもうすぐ終点とわかっていたので私もすっかり落ち着いていました。

(なんであんなに動揺していたのかな、まるで私が怖いみたいに)と先ほどの不思議な会話を思い出していた時、やっと気がつきました。

登山用のミラーグラスのサングラスをかけた私の顔、怖かったのかもしれません。しかも、まるで待ち伏せしていたかのように広くなった場所に立ち止まっていたのだから。

(な、なにこの人…)と不安になったのでしょう。私が彼女を林間の不審者だと思ったように。それにしても林の中の謎の行動は何だった…?

 

案外、単独登山はみんなそれなりに不安なのかもね。良かった…のかどうかはわかりませんが、面白い登山でした。

今度はどこに行こうかな。もうちょっとだけ人のいるところがいいかもしれません。

5台に増えた駐車場の車をながめながらそんなことを思いました。